サステナビリティ
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鋼材サプライチェーンにおける
GHG排出量の算定・可視化の取り組み
住友商事グループは、取り組むべき重要社会課題の一つとして「気候変動緩和」を定め、中期目標として、グループのGHG排出量を2035年までに50%以上削減(2019年比)と社会の持続可能なエネルギーサイクルの基盤となる事業の構築、長期目標として、2050年の事業活動のカーボンニュートラル化と、持続可能なエネルギーサイクル実現への挑戦を掲げております。
本目標の達成のための第一歩として、住友商事グローバルメタルズ株式会社(以下、当社グループ)では、2021年にワーキンググループを立ち上げ、以降、鋼材サプライチェーンにおけるGHG排出量の算定・可視化(以下、当該業務)に取り組んでいます。
2023年4月にはコーポレート部門に事業開発グループとサステナビリティ推進チームを設置し、カーボンニュートラルに関連する新たなビジネスの開発、ESG経営の強化に注⼒して参ります。
2023年度 当社GHG排出量
2023年度は、以下の通り算定を実施し、当社グループのScope1、2および3(カテゴリー4:輸送・配送(上流))のGHG排出量は527,165t-CO2となりました。昨年比での主な増加要因は、取扱数量の増加に伴うものです。
Scope別の比率は、99%以上がScope3(カテゴリー4:輸送・配送(上流))です。Scope3のカテゴリー4(輸送・配送(上流))は当社が直接コントロールできるものではありませんが、鋼材サプライチェーンの担い手として算定・可視化し、サプライチェーン上の皆さまと共に排出量の削減に努めていくことが、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラル達成の一助になるものと考えております。
SCGM単体のScope1,2におけるCO2排出量について、応分のカーボンクレジットを購入し、償却しています。なお、開示数値についてはクレジット分を控除しておりません。
第三者保証について:
21年度及び22年度の過去2年間はKPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けてきました。
(詳細はこちらをご参照ください:https://www.scgm.co.jp/pdf/Independent_Assuarance_Report.pdf)。
23年度より当社グループは、Scope3の算出範囲拡大を開始しており、この作業が完了するまで当座、第三者保証の取得を見送ることとします。

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1. データの収集範囲
Scope1: 当社単体および連結子会社4社
Scope2: 当社単体および連結子会社4社
Scope3カテゴリー4(輸送・配送(上流)): 当社単体※国内輸送は鉄鋼メーカーから(中継地経由含む)需要家および加⼯委託先までを対象範囲としております。同範囲には鉄鋼メーカーに所有権のある製品等の物流(鉄鋼メーカー⼿配)が含まれますが、当社では鋼材サプライチェーン全体での排出量算出を⽬的としているため、対象範囲に含めています。一方、当社が所有権を有する加⼯委託先ないし外部倉庫から需要家までの物流については、データ入手の制約により、対象範囲外としております。(以上を図示したものが図1となります)
海外輸送は輸出取引を対象範囲としています。具体的には、国内の鉄鋼メーカーから(横浜や神戸などの公共港からの出荷を含む)海外の揚港までを含めています。尚、鉄鋼メーカーから横浜や神戸などの公共港までの国内輸送については、こちらの海外輸送に含めております。
上記対象範囲は、当社仕入先(鉄鋼メーカー)上位4社となります。尚、同4社にて当社取り扱い数量の82%(23年度実績)をカバーするものとなります。図1:国内流通パターン
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2. 算定方法
Scope1及びScope2は、各拠点におけるエネルギー使用量に、以下に示すCO2排出係数をそれぞれ乗じて算定。
エネルギー使用量は以下の方法で算出しています。
・電力、冷温水、ガス、灯油、軽油、ガソリン:購入量を使用量として算出。
*ガソリンは、一部拠点において購入費と国別ガソリン年間平均単価から使用量を推計、または走行距離と平均燃費から使用量を推計。CO2排出係数の出典は以下の通り。
Scope1:(国内・海外)環境省の「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を使用。
Scope2:
電力のCO2排出係数:
(国内)全電源平均・受電端を使用。
(海外)国際エネルギー機関(International Energy Agency, IEA)が発行する「Emissions Factors 2023」に記載された2021年の国別の排出係数を使用。
電力以外のCO2排出係数:
(国内・海外全拠点)環境省の「温室効果ガス算定・報告マニュアル」を参照。Scope3は従来トンキロ法により算定。CO2排出原単位の出典は以下の通り。
Scope3:(国内・海外)経済産業省、国土交通省の「ロジスティクス分野におけるCO2 排出量算定方法共同ガイドラインVer.3.2」に掲載された輸送機関別の輸送トンキロ当たり CO2 排出原単位を使用。
今後の取り組み
住友商事グローバルメタルズグループは、2003年の創立以来、ダイナミックに変化する世界市場の中で、進取の精神を礎に、鉄鋼事業を通じて新たな価値を創造し、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを使命として、今日まで歩んで参りました。「SDGsに代表される様々な社会課題への取り組みも、企業にとって重要な経営課題となり、同時に貴重なチャンスにもなってきております。
「気候変動緩和」は取り組むべき重要社会課題の一つです。その課題解決の最初の取り組みとして、2022年度、当社グループのGHG排出量の算定を実施しました。今後は、Scope1、2および3の算定範囲の拡大と精度の向上に努めるとともに、当社グループのGHG排出量削減目標の設定と、その達成に向けた具体的な施策の実行を推進して参ります。また、鉄鋼流通を担う一社として、上記データも活用しながら、鋼材サプライチェーン全体のGHG排出量の削減・吸収への積極的な取り組みを通じて、鉄鋼業界全体のカーボンニュートラル化に貢献します。
これからも私たちはパッション(情熱)を持って社会の変化に向き合い、確実に未来に向けて歩み進めるとともに、お取引先や事業パートナーをはじめとする全てのステークホルダーの皆さまに高い付加価値の提供を通じ、サステナブルな社会構築への貢献を目指して参ります。